私はよく通っている中古CD店数店舗の棚に、「今度買うから売れないで…!!!」と念じているCDやDVDがいっぱいあります。今月は買いすぎたからとか、今観ずに聴かずに溜めてるものがいくつかあるから、とか理由はいろいろ。
そのひとつがThe Rolling Stonesの「Rock and Roll Circus」だったんですが、ある時そんな願いも届かずに棚から姿を消しました。しかし2週間ほど後に別の店で半額程度の値段で運命の再会!!その時はつべこべ言わずに買わなきゃと即決しました(輸入盤でちょこっとメニューの挙動がおかしなところがあったので、お値段なりではあったのですが)。
前置きが長くなりましたが、この作品は1968年に収録された映像作品で、ホスト役のThe Rolling Stonesを含むミュージシャンがサーカス団のごとく次々とライブを繰り広げるというもの。The Whoを通してこの作品の存在を知り、さらに先月「セッション・マン」を観に行ってニッキー・ホプキンズの演奏が好きになったのでこれは絶対通して観るべきものだなと確信しました。
ライブの出演者はこちらです。(Wikipediaより引用)
- ジェスロ・タル ジェフリーへささげし歌 – Song For Jeffrey
- ザ・フー クイック・ワン – A Quick One While He’s Away
- タジ・マハール エイント・ザット・ア・ロット・オブ・ラヴ – Ain’t That A Lot Of Love
- マリアンヌ・フェイスフル サムシング・ベター – Something Better
- ザ・ダーティー・マック ヤー・ブルース – Yer Blues
- オノ・ヨーコ&イヴリー・ギトリスwithザ・ダーティー・マック
ホール・ロッタ・ヨーコ – Whole Lotta Yoko - ローリング・ストーンズ
ジャンピン・ジャック・フラッシュ – Jumpin’ Jack Flash
パラシュート・ウーマン – Parachute Woman
ノー・エクスペクテーションズ – No Expectations
無情の世界 – You Can’t Always Get What You Want
悪魔を憐れむ歌 – Sympathy For The Devil
地の塩 – Salt Of The Earth
紹介欄にThe Who、マリアンヌ・フェイスフル、などミュージシャン名が並ぶ中、注目はThe Dirty Macと名乗る謎バンド。ジョンが率いるこの映像作品のために結成された一回きりの限定バンドだそうです。メンバーはエリック・クラプトン、ミッチ・ミッチェル、キース・リチャーズ。途中から当然のように横に座っていたオノ・ヨーコも歌うし…バイオリンのイヴリー・ギトリスが加わるし情報過多すぎて胸焼けしそうです(名前を羅列はしましたが、名前しか知らない方は調べながらやってます)。
各ミュージシャンそれぞれが弾けたパフォーマンスで楽しませてくれ、さらに合間にはミック・ジャガーとジョン・レノンのコント?から本物のサーカス芸まで盛りだくさんです(笑)。The Whoは何度もYouTubeで観ていたのでおさらいのように観ましたが、The Rolling Stonesのパフォーマンスも圧巻でした。わかりやすくメロディアスな曲というよりはその場のノリで楽器とミックのボーカルと動きがどんどん加熱して沸いていくような、これが「グルーヴ」なのかなというのが初心者の感想です。ニッキー・ホプキンズの演奏もしっかりと記録に残っています。バンドに華やかな彩りを添えたかと思えば時に鋭いフレーズを聴かせ、しっかりとステージで存在感を示していました。
全てのライブが終わると、ラストはぐったりとした全ミュージシャンと観客がデタラメに踊り狂って終了…という、60年代そのものの狂騒のような作品でした。
この作品は内容よりもお披露目されず28年もの間封印されていたことや、The Whoの演奏が圧倒的でThe Rolling Stonesが公開をためらった…というどこまで本当かわからないエピソードが注目されてきたという経緯があるようです。また、ブライアン・ジョーンズが脱退し亡くなる少し前の映像であり、彼がバンド内で孤立していた時期だったと知り少し切なくなってしまいました。
The Beatlesは解散直前でジョンはオノ・ヨーコと蜜月状態、The Whoは財政難と解散の危機を抱えつつ「TOMMY」のレコーディング中だとかレジェンドバンドたちが全てゴタゴタしていたというのもやけくそ気味のエンディングにつながるような気もしなくもないですね。
The Rolling Stonesの作品については、「セッション・マン」の視聴前に!!とストリーミングで聴いていた「Jamming with Edward!」、どのCDを買うかめちゃくちゃ時間をかけて迷い購入した「メインストリートのならず者」「Some girls(これは片寄さんのレコードジャケット展の影響!)」しかまだ体験していません。活動期間がとても長い&メンバーチェンジが多い&作品の雰囲気が何度も変わっているという壮大なバンドのため、今後どうやって彼らの歴史を追体験していこうかと考え中です。かなりの広く深い世界だと容易に想像できるので、かなりの覚悟が必要ですね…。
ぜひ「~Edward」もCDで買いたいんですが、廃盤らしくなかなか手に入らないようなのでぜひ再発してほしいものです。
(英語字幕しかないので、せっかくの特典であるピート・タウンゼントのインタビューはちょっと後回しにしてあります…英語力付けねば)