洋楽初心者リスナーの私が「オアシス︓ネブワース1996」「MTVアンプラグド」のCATV放送でOasisに出会って約9ヶ月。その間オリジナルアルバム、兄弟それぞれの作品にコラボ作品、ライブ盤…少しずつ音源と映像作品を見聞きしてきました。今年に入ってようやく、なんとなく後回しにしてきたBEADY EYE作品を入手することができ、ようやく一通り「Oasis入門:基礎編」の履修が終わりそうです!なんとも楽しく充実した時間でした。
Oasis解散後、ノエル脱退後のメンバーであるリアム・ギャラガー、ゲム・アーチャー、アンディ・ベル、クリス・シャーロックの4人でそのまま結成されたのがBEADY EYE。後にサポートベーシストとしてジェフ・ウートン(調べてみると肩書はギタリスト?)、カサビアンのサポートを務めていたジェイ・メーラーが参加したそうです。
↑このお二人もとても興味深いミュージシャンです
↑「タネタン」というこのサイトの作成者さんによると、バンド名の由来ははっきり語られていない様子。最近聴き始めたトーキング・ヘッズの歌詞にBEADY EYEという単語を見つけたこと、リアムのソロ曲「Paper Crown」に”And the talking heads don’t make a sound”という一節があったので何か関連があるのかと思ったのですがいまいち調べても手応えがありませんでした。
他の作品に比べついこの時期の作品の視聴が後回しになってしまったのには、活動に対する少々ネガティブな評価(雑誌やネット記事など)を先に見てしまったことも影響しているかなと思います。
↓「残党」という言葉のチョイスがつらいです…。昨年のOasis大特集号でも仕方ないことですがほとんど触れられずでした。

”ノエル抜きのオアシスとしてスタートしたバンド=ビーディ・アイ”
2024年9月号 Oasis特集より抜粋
フロントマンであったリアム・ギャラガーがソロライブにおいてBEADY EYE曲を取り上げる機会が少ない様子(私のリサーチ力に限界があって、正確な情報は集められませんでしたが)ですし、忘れたい過去のような扱いなのかなと思ってしまいました。しかし、アルバムを聴いてみるとギターロックが大好きな人間にとっては「なぜ聴くのを後回しにした?!」と自分を責めそうなくらい好きな音がいっぱいでした!リアムが歌い、Wギター(アンディ・ベルがギター担当に戻ったため)がギャンギャン鳴っていてロックンロールなんですから、好きにならないわけがなかったです。そして、Oasis時代とは異なりアンディとゲムがバッキングボーカルも担当している様子がMVやライブ映像で観ることができて新鮮に思えます。
アルバムは全2作。YouTubeの公式チャンネルで聴ける曲もあるものの、なぜかSpotifyには公式ページのみで視聴可能な曲が存在しない不思議な状態になっています(以前公開した後に非公開に変更したのかも?)。
1枚目「Different Gear, Still Speeding」では、サポートベーシストは不在でアンディとゲムがギター、ベース、キーボードを担当(Wikipediaより)。威勢のいい曲が揃っていて、60’sロックンロールへの愛がたくさん詰まっている感じです。一方で2枚目の「BE」はセンシティブで内省的な雰囲気が漂っていて、歌声もギターの音色も切なさをふんだんに湛えているよう。「Don’t Brother Me(俺に兄貴風を吹かせるなよ…の意味らしいです)」は、ケンカを売ってきたかと思えば機嫌伺いのような節があったりする歌詞だし、やたらと長いひきずるようなアウトロが印象的。ライナーノーツにも書かれていますが、兄へのメッセージソングというのがダダ洩れで非常に切ない一曲です。”Did you shoot your gun?”なんて兄ソロ曲へのオマージュ的な一節もあって、この先リアムが自身のソロ曲で何度もOasis時代含めフレーズを引用していくことの序章的なものを感じます。
アルバムの曲もすばらしいし2012年のロンドンオリンピック閉会式でのパフォーマンスなど話題性もあったのに、バンド自体の活動は5年ほどの期間で終了。2025年の視点からだともったいない気がしますが、この歴史があったからこそリアムのソロ転身やゲムのNGHFB参加、アンディのRIDE再始動、そしてOasis再結成という今につながっているんですよね。
そして、最後にこのバンドと日本との関わりについて記しておきます。
2011年に発生した東日本大震災に対してBEADY EYEはOasis時代から何度も来日している縁からチャリティ企画など被災地への援助を担ってくれていました。震災の影響で来日公演を延期したものの、その後サマソニ出演と単独公演で来日。当時からファンの方はどれほど嬉しかったか…。
リアムはコンサート前、「日本からの悲惨な映像を見てショックを受けた。それで何かできないかとみんなに連絡を取ったんだ。ポール・ウェラーはすぐに返事をくれた。プライマルもそうだ。それからさらに広がり、とんとん拍子で話が進んだ」と同公演が実現した経緯を説明している。
ビーディ・アイ、プライマル、ポール・ウェラー…続々登場、日本支援コンサート<JAPAN DISASTER BENEFIT>速報 | BARKS
「日本にはたくさんいい思い出がある」「日本の人は俺らにいつもよくしてくれた」と日本や日本人に対し深い想いを持つメンバーは、スクリーンに大きく映し出された日の丸をバックに登場。オーディエンスは総立ちの大喝采で彼らを迎えた。すでに熱くなっている会場の温度がさらに上がったような熱狂ぶりだった。
私自身東北に縁のある人間なのですが、当時は全くこういった話題を知らずにいました。偶然CDを買えて喜んでいたのが3月の初旬で、その後11日前後に多くの方のSNSの投稿をきっかけに「Japan Disaster Benefit」について知ることになり、あの時私の縁者も巡り巡って彼らの支援を受けていたんだろうなあとじわじわと感謝の気持ちを噛みしめました。
OasisライブでBEADY EYEの曲がセットリスト入りする可能性は低いでしょうが、これらの曲を今の彼らが演奏する姿を何らかの形で聴けたらいいなと願っています。
さて、基本の履修が終わりそうなのでこれからちょこちょこと応用編(?)としてアンディ・ベル作品とRIDEも追っていきます!
最近調べ始めたSUPERGRASS、The Verveなど90年代UKロックもたくさん聴きたいので本気で耳が足りない…興味のあること好きなものがいっぱいでうれしい悲鳴です。
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