二週間ほどの発売延期を経て手元にやってきたManicsの新アルバム、ヘビーローテーションしてます!
今回は日本盤を購入したので、Spotifyで聴けるものとはボーナストラック2曲を含め若干何か所か違いがありますが一応リンクを。↓
事前にインタビュー記事やレビュー記事を読んだり、先行して公開された曲も聴きこんでいたので全体のイメージは想像していたのですが、アルバムを通して聴く気持ち良さが圧倒的でした!
早速とても好きなアルバムになりました。
リスナー歴が浅い私ですがこの1枚でジェームス・ディーン・ブラッドフィールドの歌声の力を改めて浴びせられたような印象があります。圧倒されたり感情を揺さぶられたり、かと思えばただひたすら心地よかったり。そしてバンド全体がそこにビシッとはまっている感じ。楽器の残響も全てあるべきところに音があるような…。
ニッキー・ワイアーボーカル曲も3曲。その独特の声にコーラスを添えるのがラナ・マクドナー(もっと彼女について知りたいのですが日本語でたどり着ける情報がまだ少ないです)。二人の声のハーモニーがとても素敵です。Manics+女声のデュエット曲はいいですね!
ラナ・マクドナーは、映画やテレビの受賞歴のある作曲家です。彼女の音楽は、Netflix、BBC、Black Mirror、You, Then Came You、Cable Girls、Deadly Class、Hollyoaks、Chevrolet、Love Islandなどのクレジットやクライアントとともに、世界中のテレビ番組、コマーシャル、映画で取り上げられています。彼女は、共同脚本家のアンドリュー・ブリットンとともに、2022年のリブート版『Embarrassing Bodies』(E4)のタイトル曲を書いた。彼女はエクスペリメンタル・ポップ・バンド、トローヴス(以前はヌード・レコードと契約)の元創設メンバーである。
– IMDbミニバイオグラフィー:アノン(自動翻訳)
Lana Mcdonagh – バイオグラフィー – IMDb
特に気に入ったのが「Being Baptised」。アラン・トゥーサンというミュージシャンとの思い出をモチーフにジェームスが作詞したそうで、CDのレビューやライナーノーツを読むまで知らなかったミュージシャンなので調べてみました。ニューオーリンズ出身で自身も歌手活動をし、1960~70年代には特にソングライターやアレンジャー・プロデューサーなどとして活躍した方だそうで、2015年にお亡くなりになっています。
ライナーノーツによると、2011年にBBCラジオのイベントで共演しているそうなのでその時のことと推測されるそうです。彼がプロデュースした「Lipstick Traces」という曲はManicsの B面曲&カバー集と同タイトルですし、おそらく昔からファンだったということなのでしょう。
また、元The Smith(私はまだほとんどこのバンドは履修前なのですが)のモリッシーに対する思いをつづった曲「Dear Stephen」やライナーノーツには他のバンドの名前が多くサンプリング元として掲載されていたりと、このアルバムは過去を回想するような部分もちょこちょこあるのかな?と思います。しかし洋楽初心者リスナーとしては、そういう情報なしに素直に音だけ聴いていても好きになるアルバムでした。
私の耳が変なのかどうか不明ですがヘッドホン・イヤホン・スピーカーと出力を変えるなど聴き方を変えるたびに「今のフレーズめちゃくちゃいい!」とか何かしらの気付きが毎回あるような気がします。何度も聴いたら別の時代のアルバムもまた聴いて、今度はライブ映像を観てまたこのアルバムに戻ってきたくなるような感覚で、こういうバンドに出会えたことを本当にうれしい気持ちになっています。
そして日本盤のみのボーナストラック2曲。
讃美歌のような「LET THE LIGHT RETURN」、日本の地方都市の風景が浮かぶような「JOHATSU」。
特に日本語タイトルが強烈な後者は、日本の文化だけでなく社会の在り方にも関心を寄せているというニッキーが、日本の街を冷静な目線で切り取った歌詞なのかなと想像しました。
全体を通してのコンセプトはあえてはっきりと決めなかったアルバムだそうですが、今生きている世界に対する、問題提起の小さな棘が端々に見え隠れしているような作品なのかなと感じました。
↑このアルバムの発売記念でアップされたこちらの動画についてもリンクを貼らないわけにはいかないですね。熱いファンお二人によるManicsの素晴らしさを広めたいという熱意に溢れた動画。おすすめ楽曲ランキングやこの新アルバム全体の聴きどころ紹介、そしてなんとニッキーがコメント出演している超サプライズ!新参リスナーながら感激してしまいました(服装&リストバンドからロキソニ終演直後収録と思われます)。
今年の始まりに彼らをロキソニで観ることができ、その余韻が残る中で新アルバムを聴けたことはとても贅沢な体験です。ヨーロッパで行われる初夏のフェスの予定などがどんどんXで公開されているので、再来日の可能性も期待しながら新アルバムを楽しみます!