初夏にブログを書き始めてから、本当にたくさんのミュージシャンを知ることができて楽しい時間を過ごしています。あっという間に10月も終盤となりました。
偶然にも好きになるミュージシャンがQUEENを筆頭にUKとその周辺出身が多かったためSNSのプロフィールなどでもUKロック好きを名乗ってましたが、映画「セッション・マン」「モンタレー・ポップ」、書籍「ルート66を聴く」の影響で気になったミュージシャン同士のつながりを辿ったりしていくうちに最近はUSロックにも手を出すようになりました(過去記事にリンクしています)。
さらに「ルート66を聴く」著者の朝日順子さんがSNSで紹介してくださったことがきっかけで、ルート66についての紹介サイトがあることを知りました!2018年からオクラホマに在住されている日下部眞理子さんが運営するこちらのサイトは、実際に日下部さんが訪ねた場所やルート66にまつわるあらゆる情報を詳細に紹介していてとても興味深い記事がいっぱいです。実際に日々の生活を現地で送る方の発信する情報はリアルで、あらゆる角度から切り取られているので読み進めると疑似体験したような気分になれます!
日下部さんのサイト「Route 66 On My Mind」
以前の記事でほんの少し触れましたが、ルート66はアメリカの経済的発展に重要な役割を担っていた道路です。「移動したのは『人』と『物』だけではなかった。『人』があるところには『音楽』もあるのだ。」と朝日さんがご著書で述べている通りそれぞれ異なるルーツを持つ音楽が移動し、時に他の音楽と混ざり合って現在のように多様なジャンルができていったんですね。楽曲で土地をモチーフに歌われるだけでなく映画の舞台になっていたりするので、メインの移動手段として使われなくなったいまでも人々の興味を引く存在となっているようです。日本人にとっては憧れのアメリカの象徴みたいな存在なんでしょうか、40歳の私にとってもなぜかカッコイイイメージがあるのがルート66です。
先日日下部さんからのご案内で、ルート66関連のZoomミーティングに参加させていただきました。実際にルート66をなぞって旅した方々が旅のエピソードやおすすめのお店、文化の違いなどのお話をするというものです。私は現地に行ったこともないのでただのリスナーだったのですがみなさんのエピソードが聴けて臨場感たっぷりでした!次回の開催が気になる方はぜひ日下部さんのサイトをご覧ください。
以前の私ははかろうじてThe BeatlesとSex Pistolsがイギリスのバンドでエルビス・プレスリーはアメリカの人だと知っていたくらいでしたが、今はそれぞれの国や地方ごとの特性を想像しながら聴くのが楽しいです。いまさら当たり前すぎて自分の無知が恥ずかしいのですが、アメリカってめちゃくちゃ広い国土でたくさんの国から人が移り住んでいて一つの国として簡単に語れないくらい複雑なんですよね!UKもそもそも「連合王国」ですしユーラシア大陸との人の行き来やアイルランドの問題など入り組んでいて相当なものです。国土の面積が狭い日本でさえ北海道沖縄にかかわる歴史的なあれこれがあって、地方ごとの文化の違いなんかがよくニュースの話題として取り上げられるのにもっと広い国ならなおさらですよね。どうしても他の国のことだと、ざっくり大まかなことしか知らないままにしがちでした。
アメリカの音楽とそれぞれの地方(初心者的まとめ)
アメリカといえば、音楽関係で有名な地名はエルヴィス・プレスリーの暮らしたメンフィス、ジャズのニューオーリンズ、モータウン・サウンドのデトロイトあたりでしょうか。
実際に長く音楽産業の中心となっているのはニューヨークとロサンゼルスだそうです。
ニューヨークは商業都市としての発展から娯楽が発達、ミュージカルやジャズ文化が花開きポップスやロック、パンクやヒップホップやインディーロック多くのジャンルが生まれアメリカの文化のトップランナーであり続けています。ロサンゼルスは映画音楽のためクリエイターが集まる街だった影響か、ジャズからサーフ・ミュージック、サイケ・ロック、ハードコアパンクやLAメタルなどニューヨークとは異なるムーブメントを生み出しています。
他にも、アメリカならではのカントリー・ミュージックにおいては南部テネシー州ナッシュビルが一大拠点。ロックやポップジャンルのミュージシャンでも南部や中西部にルーツを持つミュージシャンが多く存在し、根底にはカントリーなど古くからアメリカに根付く音楽の影響がみられるそうです。
UK国内の音楽とそれぞれの国・地方(初心者的まとめ)
UK内で音楽の聖地といえば、なんといってもThe Beatlesを生んだ港町リバプールが思い浮かびます。
巨大ライブといえばウェンブリー、ネブワース、フェス会場であるワイト島なども有名ですね。
産業の中心はやはり若者やクリエイターが集うイギリス・ロンドン。アビイロードスタジオが最も有名なことは間違いなさそうですが、ウェールズのロックフィールドスタジオも名だたるバンドがレコーディングしたことで有名です(「ボヘミアン・ラプソディ」に登場するあの農場スタジオ!)。
連合王国であるUK。イギリス以外の各国出身ミュージシャンは音楽で独立心や自らのルーツを表現しているように感じます。パンクやマッドチェスターなど音楽によるカウンター的ムーブメントは階級社会であることやロンドンとそれ以外の地域との経済格差も影響しているのでしょう。
アメリカとUKの音楽的かかわり
SNSか何かでどなたかが「UKのミュージシャンがアメリカで大成功しにくい理由は『国土が広すぎるから』」と発言していたのですが、これはルート66関連の情報を知れば知るほど本当にそうなのではないかと思えます。朝日さんもご本の中でアメリカ内のミュージシャンでさえ過酷な「ロード」生活に耐えられるかどうかが成功の分かれ目という風に書かれています。アメリカ国内でミュージシャンが知名度を上げるには長いツアーで広い広い国内を廻ることが必須。家族と離れ、ずっと旅とステージの繰り返しというハードな生活です(2024年現在なら、SNSのおかげで少し事情が変わっているかもしれませんが)。
でも大成功を収めた人ばかりではないでしょうが、音楽に関わる人たちはお互いに優れたプレイヤーや最先端のムーブメントや録音スタジオ・技術を求めて行き来してきたんですよね。そのおかげで完成した作品はたくさんあります。音楽を聴きながら遠い国々に思いを馳せ、いつかどちらも行けたらいいなあと思っています。
※今回はこちらを参考に記事を書きました。
Wikipedia ロサンゼルス ニューヨーク
アメリカンミュージックの聖地ベスト7【音楽を巡る旅】https://www.fivestar-club.jp/media/abroad/north-america/29083/
「ルート66を聴く アメリカン・ロード・ソングは何を歌っているのか」著:朝日順子 2021年 青土社
「地図で読むアメリカ」著:ジェームス・M・バーダマン 訳:森本豊富 2020年 朝日新聞出版