先日観に行った「EDGE OF ROCKS 1978-1984」展、主にBAG1会場で私が個人的に印象に残った点を改めて記録しておきます。※レコードは一枚も持ってない洋楽初心者の視点で好き勝手に語る感想というのをご承知おきください。BAG2会場については時間が足りず駆け足の鑑賞だったので今回割愛します。

会場入り口にて。すでにポスターやネオン管風照明などが見えてテンションUP

今回の展覧会は、60年代のロックが70年代中盤のパンクムーブメントを経て変革していく時期にスポットを当て、音楽とその周辺のグラフィックやファッションがより先鋭的になっていく様子をレコードジャケット・ポスターなどの表現から読み取ろうというものです。GREAT3の片寄明人さんが音響を含めた空間演出を担当なさっています。ポスターと日本版レコードの帯は、BAG2会場で8/4まで写真展をなさっているトシ矢嶋さんのコレクションだそうです。

こちらはプロローグ的な1978~84年全体のレコード

デザインの流行

今回の展覧会で取り上げられている期間の中では初期にあたる1978年のジャケットは、ある「型」に合わせたデザインが多いようでした。写真があって、上部左右に曲名とアーティスト名が配置されているパターンです。当時の流行もあるのかな?

79年以降はそれがぐっと減って、自由度がものすごく高くなったように感じます。文字が一つもないジャケットが特に心奪われました(調べたらJames Taylorというアーティストのアルバム「Flag」でした。今聴いてみているところ)。さらに、写真が鮮明だったりグラフィックもものすごくビビッドな発色なものが多かったです。私の大好きなQUEEN「Hot Space」もそうですがパキっとした色使いのジャケットが目立ちました。デザインの幅も広く、CGのような美しいグラデーション表現があったと思えば手描きのあたたかみのあるシンプルなイラストがあったり、あえて二色印刷にしてみたり百花繚乱のレコードジャケットの中でいかに目立った新しい表現をするか競い合っていただろう様子がうかがえます。

潔すぎるジャケット。そっと横から覗いたら側面に小さく名前が印刷されてました

レコードの存在感

CDのサイズが自分の基準になっているからか、ジャケットを含めるとレコードはずいぶん大きく感じます。今回の展示は壁にびっしりとレコードが飾られていたので迫力満点でした。好きなジャケットをあんなに大きく部屋の中に飾れたらさぞ楽しいだろうなぁと思う反面、管理の大変さなども想像してしまいます。あれだけの大きさがあると、細かい印刷のドットや型抜き・箔押し加工を眺めるのも楽しそうです。ジャケットを手に取って眺め、重さを感じながらそっと盤を取り出して針を落とすという行為を含めて当時は音楽鑑賞だったのかもなぁなんて想像します。
会場の真ん中あたりに飾られていた、透明なオブジェは何だろう?とスタッフの方に質問してみたところ、TAKING HEADSの「Speaking In Tongues」というレコードでした!レコードは黒という決まりはないんですね。なんと片寄明人さん私物だそうです。貴重なものを見せていただきました。


日本独自の「帯」

CD世代にも馴染みのある「帯」は日本独自のものだそうで、特に洋楽の日本盤レコードに付いている邦題のタイポグラフィが面白い!おどろおどろしい手書き風の文字だったり、なるべく原題の雰囲気に近づけていたりそれぞれ個性豊かでした。


ピーター・サヴィル作品コーナー

期間中に入れ替えがあるそうなのですが、グラフィックデザイナーのピーター・サヴィルの作品を集めた一角も見ごたえがありました。特に気になったのがOMD(オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク(Orchestral Manoeuvres in the Dark))というユニットのジャケットです。しかし高い場所に展示してあってうまく撮影できなかったのでこちらにリンクを張ります(公式サイト)。この方については、仲間と一緒にインディーズレコードレーベルの設立に関わったりとめちゃくちゃ面白そうな方なので改めてまた深堀りしてみたいと思います。

とりあえずクレジットだけ

当時のライブポスター

展示スペースの一角で間近に見ることができるようにファイリングされたポスターは、お隣のスペース(BAG2)で写真展を開催中のトシ矢嶋さんが英国滞在中に集めた貴重なものだそう。QUEENのものもありました!クレイジー・ツアーと記載があるので1979年頃のライブかと思われます。なんと天井にはYMOのポスターも(調べてみたところ1980年だそう。3日後にはハマースミス・オデオン公演!)。本当に近い距離で実物が見られるので、当時の雰囲気がよりリアルに感じられるような気がしました。


まだまだ書ききれていない部分もあるし、たぶんもう一回二回くらいこの展覧会について書くような気がします。
会期中後半(8/6以降)にはBAG2の展示がミック・イタヤさんの絵画展になるそうです。トシ矢嶋さんの写真展もじっくりまた見直したいので、ぜひぜひまたお邪魔したいです。

「レコードの世界を覗く」に3件のコメントがあります
  1. 遅ればせながら行ってきました!僕もブログに書きましたが、なんか自分の思い出の話ばかりで…。こちらの記事の方がしっかりまとめられていますのでリンクさせていただきました!よろしくお願いいたします(^o^) http://neverendingmusic.blog.jp/archives/41608521.html

    1. コメントありがとうございます!音時さんの記事の方にいろいろ書き込ませていただきました。
      トシ矢嶋さんの写真についてそのうち続報書きますね!

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