以前このブログでも何度か取り上げてきた、Oasisの1996年ネブワースライブ。先日TOHOシネマ池袋にて一日目のフルライブ映像を鑑賞してきました!
この映像の映画館上映は日本限定(リンク:ソニーミュージックHP)だそうで、ソニー・ミュージックレーベルズの佐々木さんが30周年を盛り上げようと企画していたものだそうです。その頃は「再結成はあったらいいよね」という状態だったそう(こちらのインタビュー記事も熱い!!)。
内容は既にDVDやブルーレイでドキュメンタリーと共に映像作品として2021年に販売されていたものだそうですが(私はドキュメンタリーのみMTVの放送で視聴済)、やっぱりスクリーンで味わってみたくてチケット購入に至りました。冬に鑑賞したQUEENの「ROCK MONTREAL」IMAX上映が良すぎたので、体験すべきだろうなと判断しました。轟音上映という枠なので特別料金2300円、各種割引の対象外です。
上映館の追加は決まっているものの、数は少ないため気になる方は早めのチェックをお勧めします。
感想としては「最高」「さっさと行けばよかった」ということに尽きます。手元に置いておけるものも大事だけど、同じくOasis好きの方々同じ空間で、ひたすらスクリーンだけに集中して鑑賞する体験は本当に私にとって素晴らしいものでした。前から4列目くらいの何も視界に入らない状態で観たので本当に心から没入できたのも良かったと思います。
セットリストはこちら(タワレコオンラインより引用しました)。
- The Swamp Song (Tape Intro)
- Columbia コロンビア
- Acquiesce アクイース
- Supersonic スーパーソニック
- Hello ハロー
- Some Might Say サム・マイト・セイ
- Roll With It ロール・ウィズ・イット
- Slide Away スライド・アウェイ
- Morning Glory モーニング・グローリー
- Round Are Way (Incl. Up In The Sky) ラウンド・アー・ウェイ
- Cigarettes & Alcohol シガレッツ・アンド・アルコール
- Whatever (Incl. Octopus’s Garden) ホワットエヴァー
- Cast No Shadow キャスト・ノー・シャドウ
- Wonderwall ワンダーウォール
- The Masterplan ザ・マスタープラン
- Don’t Look Back In Anger ドント・ルック・バック・イン・アンガー
- My Big Mouth マイ・ビッグ・マウス
- It’s Gettin’ Better (Man!!) イッツ・ゲッティン・ベター(マン!!)
- Live Forever リヴ・フォーエヴァー
- Champagne Supernova (With John Squire) シャンペン・スーパーノヴァ
- I Am The Walrus (With John Squire) アイ・アム・ザ・ウォルラス
とにかくノエルが表情豊かで、ステージ上を動き回りはしないものの演奏していても気持ち良いのかエフェクターをいじくりまわしたり頭をブンブン振ったりとテンション高めです。リアムも絶好調で観客に向かって「ステージにいるのが最高に気持ちいい」というような発言も。何ともないぜという飄々とした雰囲気で歌っているかと思いきや、特に「Slide Away」「Live Forever」あたりで時折真剣な表情が見られたりします。曲の間には「尻がかゆい」「次はボーンヘッドが尻を出す」だのふざけた発言も多いしへらへらステージや観客の前を行き来しながらもパフォーマンスは最高です。その言動と白い服のせいもあってか、不思議な浮遊感を持った特別な存在のように見えるからスターは凄い…。ドキュメンタリー版でファンの女性が「まるで天使のよう」と言っていたのが少し分かるような気もしました。
会場全体、後ろのヤツ、と呼びかけマメに弟やアラン・ホワイトに視線を送り気を遣うノエル。ドキュメンタリーでは「観客はオレたちを観るが、俺たちは見ない」と言ってたがそんなことはないよなあ気遣いの人だよなという印象。一方隙あらばビールをコップに注ぎ飲んだり、カメラ前で飛び跳ねたりビジョンに映るジョン・レノンを棒立ちで見つめたり好き放題のリアム。と、そんな2人はたいした合図も大して送り合っているようすがないのに「Acquiesce」をはじめコーラスやシャウトのタイミングがぴったり。ドキュメンタリーによると「いつもクソほど練習してた」とのことですが息の合い方はそれを超えてきているように感じるのです。
私はまだOasis歴数か月の初心者リスナーのため、曲リストを眺めて初めて気づいた点もありました。
Whateverのアウトロで何か違うフレーズを歌ってるのはなんとThe Beatlesの「Octpus’s Garden」の一節。リンゴ・スター作の楽しい曲で、好きだな~と聴いていたのにまったく結びつかなかったです!The Beatlesへのオマージュはここにもあったのか。他にも、「Up In The Sky」の一節が「Round Are Way」後半に一部歌われたり、そういう曲中の遊びがTheライブ!という醍醐味ですよね。
また、つい兄弟ばかり注目してしまいがちですが轟音上映でアランのドラムの魅力にも改めて気づかされました。ドラムの小気味よい音が耳と腹に響いてとにかくずっと気持ち良いのです。一方でベースのギグジーはほぼ手元か遠くからのショット以外はカットされていて何がまずかったのかいろいろと勘ぐってしまいます。ボーンヘッドはアコースティックコーナーでもずっと出ずっぱりでした。
彼らが大好きなジョン・スクワイア(バンド脱退後だったそう)は最後アンコールの二曲でサプライズ登場。彼の指の動きはまるでマジックのようで見とれます。バックステージパスを首から提げたまま、もちろんステージ衣装らしくないよれたシャツというのがなんとも普通のお兄さんぽいのにギャップがすごい方です。ノエルは一緒に演奏できるのがたまらないという表情で観ている側もうれしくなるほど。「I Am The Walrus」ではアウトロで楽器を鳴らしまくりはしゃぐ全員の姿がたまらなかったです。いつまでも終わってほしくなかったなあと花火を観ながらしんみり脱力してしまいました。
こちらは2021年ドキュメンタリー公開時のワールド・プレミアにて撮影された写真だそう。
兄弟もボーンヘッドもこのライブを今でも高く評価していて、ノエルは「フロントマンが声もルックスもピークだったんだから当然」と語っています
ドキュメンタリーと合わせて観ると、この当時のUKの雰囲気が丸ごと味わえます。メンバーも、観客もとにかく弾けているといった印象で、良くも悪くも(お酒やドラッグによる酩酊、ゴミの量などなどが画面越しでもわかるほど)ものすごい熱量が渦巻いていました。
当時はスマホもなく、インスタントカメラを持つ観客がまれに画面に映る程度。目の前の音楽と、隣にいる友人や恋人との時間だけを全力で味わっていた、と当時のファンはドキュメンタリーで語りました。このライブをラジオの生中継で聴いていた当時15歳のファンは、カセットテープを裏返すことに神経を集中させ、幸運にも会場にいたファンはトイレと飲食を我慢して最前列を確保し、全力で歌い踊っていました。時間は戻せないし、2024年の私はスマホやネットなしでは生活できないほど依存しているけど、そんな宝物のような時間を体験した人々の証言がただ眩しくてうらやましいなと思います。
ただうらやましがっているのも時間がもったいないので、これから行ける映画やライブにはできる限り参加して、私も自分自身の体験をこれから増やしていきます!だから、行きたいライブのチケット一つでも多く当選させて!!!という願いを込めてこのあたりで終わります。