1986年、「マジック・ツアー」のウェンブリースタジアム公演でフレディが語った言葉。
We’re not bad for four aging Queens, are we? What do you think?
クイーンは歳の割に悪くない4人だと思うんだけど、どうかな?
映画「ボヘミアン・ラプソディ」の終盤、4人が再会するシーンでも登場するこの表現。このライブの頃4人はまだ30代(フレディ39歳、一番若いジョンは34歳)だけれども、デビュー当時のような眩いほどの若さはない。自分たちはもう時代の主役ではないという思いもあったかもしれません。パンク、ニューウェイブなどの流行を経てもQUEENの安定した人気は続きましたが、デビューから世界的大ブレイクを果たした彼らを取り巻く環境の変化は凄まじいものがあり、30代にして自分たちを年老いたと自嘲するほどの経験をしたのだと想像します。
亡くなったフレディは永遠に45歳だけど、表舞台に立つロジャー&ブライアン、引退したジョンはそれぞれさらに年を重ね、70代。少しずつ「終活」しているんじゃないかなんていうニュース記事も報道されました。
でも、それは後ろ向きなことではなくてこれからもっと後の時代にQUEENの楽曲を良い形で残していくための選択なのかなと感じるようになりました。QAL、もしくは別の形でのロジャー&ブライアンの活動は続いていくだろうしQUEENの曲はこれからもっと下の世代にも聴き継がれていくと思います。そのすべてが、できる限りロジャー&ブライアンの望むQUEENらしい形で続くようになると良いですね。
QALのライブではステージを駆けギターを鳴らすブライアン、パワフルなプレイと高音ボイスのロジャーに感動するのはもちろん、見事にアダムと一緒に新しいQUEENの姿を作り出した二人の柔軟性とロックを愛する気持ちを感じることができました。
年を重ねていくことも悪くない-QUEENはそんな風に、下の世代に希望を持たせてくれる存在なんじゃないでしょうか。
「みんなも聞いたかな?最近出回っている噂をさ。クイーンってバンドのことだ。噂によると解散するんだとか。ケツ野郎の戯言さ!」
「俺たちは死ぬまで一緒だ。わかるだろ? 俺は辞めたいんだけど、メンバーたちが辞めさせてくれない。それに俺たち…年のわりには悪くないだろ?」
BARKS クイーン@ウェンブリー・スタジアム
このブログのタイトルは、もちろん冒頭のフレディの発言を一部オマージュしています。私自身は何か後世に残せたりするものはないかもしれません。欲を言えば、自分の経験や感じたことをこのブログに綴り続けて、どこかの誰かの何かのヒントになったらうれしいなと思っています。自分と違う世代・性別・地域の人と関わるきっかけが作れたらさらにうれしいな。
明日はBS松竹東急で「Hot Space Tour」のミルトン・キーンズ公演とQALのドキュメンタリーが放送されます!もう観た人もまだの人もテレビの前で盛り上がりましょう!
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